

20代 女性
宿泊業界3年 フロント業務
CASE 04
ビジネスホテル | 宿泊部門
「新しい地で広げるキャリアの可能性」
フロントから旅館への挑戦
掲載日:2024/12/19 更新日:2024/12/23
フロント業務で培った経験を胸に、彼女が選んだのは「旅館」という新たな挑戦。
ビジネスホテルから旅館へ転職し、地域のおもてなしを学びながら奮闘する日々。その背景には、本部異動のチャンスを辞退してまで追い求めた「本当にやりたいこと」がありました。地元の魅力を伝え、地域全体を活性化する彼女の挑戦に迫ります。
「笑顔と共に歩んだ4年」フロント業務が教えてくれたこと
観光専門学校を卒業後、大手ビジネスホテルチェーンに就職した彼女。
旅好きだった彼女は、「訪れる人の旅がもっと楽しくなるように貢献したい」という思いで観光業界を選びました。フロントスタッフとして接客や予約対応をこなし、日々お客様と接する中で、確かなやりがいを感じていました。
「フロント業務は、直接お客様と触れ合える場。『また来るね』と言っていただけた時には、本当に嬉しかったです」と語ります。また、4年目には新人スタッフの教育や研修を任されるようになり、彼女自身が経験してきたことを共有する立場に。研修では実務だけでなく、笑顔やコミュニケーションの重要性を伝えることを意識していました。新人スタッフが自信を持って業務に取り組む姿を見た時、大きな達成感を得たそうです。
「お客様の言葉がきっかけに」旅館という新たな選択肢
ある日、出張で宿泊したお客様から、「ビジネスホテルも便利だけど、旅館には特別な魅力があるよ」と声をかけられました。そのお客様は、最近訪れた旅館の話を熱心に語り、女将のおもてなしや地域の特色を活かした料理、自然の景観など、旅館での滞在の楽しさを詳細に説明してくれました。
その話を聞くうちに、彼女の中で「旅館」という存在に対する興味が湧き上がりました。「お客様があんなにも楽しそうに話す場所で、自分も働いてみたい。そして、その魅力をもっと深く知りたい」と感じたのです。
「本部でのキャリアか、旅館への道か」揺れる思い
そんな中、ビジネスホテルチェーン本部から異動の通達が届きました。
内容は、チェーン全体でのプロモーション企画に関わる業務への配属です。新しい挑戦の場であり、大きなキャリアアップのチャンスでしたが、彼女は迷いました。周囲からは「本部で働くなんて滅多にないチャンスだよ」と背中を押されました。しかし、彼女は迷いの中で気づきました。「自分が本当に興味を持っているのは、旅館でのおもてなしを学ぶこと」。本部異動への期待と引き換えに、自分が心からやりたいと思えることを選ぶため、彼女は旅館への転職を決意しました。
「不安を希望に変えた時間」相談で見えた未来
旅館への転職を決めたものの、選んだのは定住エリアを離れ、詳しくない地域の旅館。
知り合いもおらず、情報ゼロの状況でした。「全然知らない場所でやっていけるのだろうか」と不安は尽きませんでしたが、同時に新しい地での挑戦にワクワクしていました。
彼女はキャリアアドバイザーに相談する中で、自分のやりたいことや条件を一つずつ整理していきました。「地域に根ざしたおもてなしを学びたい」「安心して働ける環境がいい」といった希望が明確になるにつれ、不安は次第に解消されていきました。さらに、住環境についても社宅の有無や地域の生活環境などの情報を提供され、「安心して新しい生活を始められる」と確信を持てるようになりました。
「難しいからこそ楽しい」旅館業務で学んだおもてなしの本質
旅館での業務がスタートすると、ビジネスホテルとは異なる仕事の幅広さに驚きました。
お客様の到着時のお迎えから部屋への案内、食事の準備、チェックアウト対応、さらには地域情報の案内まで、フロント業務だけでなく、旅館全体を支える業務に関わる必要がありました。ある日、海外からのゲストが滞在した際、言葉の壁を感じながらも、地域の観光地を案内しようと試行錯誤しました。手書きの地図を作成したり、翻訳アプリを使ったりと工夫を重ねた結果、「ありがとう。また来たい」と感謝の言葉をもらったとき、大変さが一気に吹き飛んだと言います。
旅館業務での大変さと喜び
現在、彼女は旅館での業務を通じて、旅館ならではの「おもてなし」を学びながら、地域の魅力をもっと発信する方法を模索しています。「将来的には、旅館を拠点にして地域全体を活性化するお手伝いがしたい」と目標を語る彼女。
「旅館業務は大変なこともありますが、その分、仕事の幅が広く、お客様の笑顔を直接見る機会が多い。自分が本当にやりたいことに挑戦できていることが、何よりの喜びです」。そう語る彼女の表情には、自分の選択に対する確信と未来への期待がにじみ出ていました。
これからも、彼女の挑戦は続きます。旅館業務を通じて得た経験と地域とのつながりを力に、観光業界に新たな価値を生み出していくことでしょう。

※掲載された内容はキャリア相談の一例として示されたものであり、全ての利用者に該当するものではありません。実際の相談内容や結果は、個々の状況や希望に応じて異なります。
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